クラブコンセプト

「知識」と『知恵』

知識を持つこと以上に、知恵を磨くことのほうが力となる。
何事も答えは一つではない。
知識≦知恵≒力

皆さんは、知識と知恵の違いを説明できますか?

知識:ある事項について知っていること。また、その内容。
知恵:ものごとの理を悟り、適切に処理する能力。
「知識」と『知恵』を広辞苑で引くと、上記のように載っています。

私はサッカーが上達していくのも、人が社会で生きていくのにも、『知恵』がとても重要だと考えています。
チームで同じトレーニングを同じ時間積んでも、チームの中で競技力に差が生まれていくのは知恵の差だと考えています。上達が早い選手は知恵を持っているからだと常々感じています。

知識が過去の情報であるのに対して、知恵は、知識に基づいて新しく創造されたもの。あるいは、知識と知識を組み合わせて新しく創造するという考え方になるかもしれません。

知識 ← 記憶力・理解力
知恵 ← 思考力・発想力・創造力
「知識」と『知恵』に必要な要素は、上記のものが挙げられると思います。

身に付けるために必要な要素はそれぞれ違います。
つまり、どんなに知識があっても、それに比例して知恵があるとは言い切れません。
知識は重要なものですが、それは理詰めの考え方ですから、それだけでは想定外の事態が起きた時に、適切な対応ができなくなる可能性が高くなります。

「百聞は一見に如かず」という言葉があります。百回聞いても、聞いただけではそれは「知識」に過ぎません。「一度でも自分の目で見て体験することが大切である」と、この言葉の意味を私は解釈しています。知っていることと、実際に経験したこととでは大きな違いがあります。
例えば、料理本をいくら眺めていても、実際に作ってみなければ料理の腕は上達しません。最初は料理本のレシピを見ながら料理を作っていたとしても、必ずしも上手くいくとは限りません。しかし試行錯誤をしながら工夫を重ねているうちに、自分なりのレシピを見つけることができるようになるかもしれません。
つまり「知恵」とは、経験を通し「知識」を応用して自分自身で考え、新たなアイデアや価値を付け加えて実践に役立てる能力のことだと思います。

サッカーでも様々な場面を想定してトレーニングを行いますが、実際の試合で起こりうるその様々な場面の全てを網羅しきることは不可能です。想定外のことが起きるのは大前提のスポーツであり、パニックを起こすことなくその場面を楽しむことができるかどうかは、『知恵』が重要となります。

ですから、理詰めだけにならないよう、日頃から考える習慣を身に付けさせるための指導を心掛けています。

しかし「知識」があってその応用が『知恵』なわけですから、考えるだけでなく学ぶことも忘れないで下さい。
『知恵』を持った選手になりましょう!