私の指導理念
私は高校を卒業してすぐ、サッカーを指導者として関わるようになりました。
それから「指導者と選手」、「保護者と子供」という大人と子供が関わる場面を多く見てきましたが、チームの方針や保護者の方の考え方によってその距離感は様々です。
指導者という立場になったことで様々なチームの「大人と子供」の距離感を気にするようになりました。チームによっては試合会場で保護者の方が全ての荷物を運び、運び終わったらテントを設営し、荷物の置き場所を作り、座るための椅子を用意されているチームがありました。その間、子供達は立って友達と話をしています。全部の準備が終わると子供達は当たり前のように用意された椅子に座っていました。そして、保護者の方が近くにいるので、子供が何かをしようとする度に大人の方から「こうしなさい」「あぁしなさい」という声が聞こえてきました。
子供は、何もせずただ待っているだけ・・・
子供は、大人の言われた通りに動くだけ・・・
人としても、サッカー選手としても「状況判断」を的確に出来ることは
大切なことです。その能力を上げるには、子供の頃から「状況判断」する
という経験が必要です。その経験する場を大人が奪っていませんか?
今、何が必要なのか?今、何をするべきなのか?
それらを自分で考えて行動することが成長に繋がると考えています。
その行動が結果的に成功だったのか、失敗だったのか。そこに重きを置くのではなく
まずは「自分で考えて行動しよう」としたことを評価するようにしています。
まだまだ成長過程の子供が考えて行動するので、大人から見たら「もっとこうすればいいのに!」「何でそうなるの?」などがいっぱいです。でも、そのような経験が大事だと思います。
子供の成長には、失敗が必要です。
このようなことを大事にしながら、常に選手と接するように心掛けています。
色々な失敗を経験することが、大きな成長に繋がると私は信じています。
私にも子供がいるので、我が子を持つ親として頭では分かっていても、口や手を出してしまうというのは、とても理解出来ます。私も自分の子供が近くにいると、先回りしてしまい、あとで後悔したことがあります。普段の生活では、なかなか距離を離すことは難しいかと思います。だから、サッカーの活動中は、あえて子供と離れて見守ってみませんか?
失敗をすることで落ち込むことがあるかもしれません。すぐに手を出さないことで辛い経験をするかもしれません。でも、「全ては、成長のために・・・」という私の信念をご理解していただくとともに、温かい目で見守っていただけると幸いです。
U-12代表 澤田雄太